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2014年 2月号

ひな祭り

                                                                                            野菜ソムリエ●KAORU

 3月3日は「ひな祭り」。「桃の節句」「上巳(じょうし)の節句」とも呼ばれ、ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願います。ひし餅、ひなあられ、白酒、ちらしずし、ハマグリのうしお汁など、お祝いのごちそうも楽しみの一つ。春の訪れを感じる華やかな彩りの行事食に私たちの心も躍ります。
 ひし餅といえば白・緑・桃色が重なったひし形のお餅。春らしいパステルカラーはまさにひな祭りのイメージそのものです。実はこの3色にはそれぞれ意味があるといわれています。白色は血圧を下げる効果が期待できるヒシの実が入り、子孫繁栄、長寿、純潔を表します。緑色は強い香りで厄よけ効果があるとされてきたヨモギで、健やかな成長を願うもの。
桃色(赤)は解毒作用のある赤いクチナシの実が使われ、これは魔よけの色。どの色にも、子どもが健康で元気に育ってくれるようにとの願いが込められているのです。
 この3色は白・緑・桃色(または緑・白・桃色)と順番に重ねられ、「白い雪の中には緑の新芽が芽吹き、桃の花が咲いている」という春の情景を表現しています。さらに菜の花を表す黄色などを加えたり、カラフルに5色で展開されたりと現在ではいろいろです。
 ひし餅の歴史をさらに探ると、もともと古代中国の上巳節で食べていた母子草(ハハコグサは春の七草の一つゴギョウ)のお餅で、それが日本に伝わったのだとか。母子草には母と子が健やかであるようにとの願いが込められていましたが、日本では母と子をついて餅にするイメージを嫌ったため、代わりにヨモギが用いられるように。最初は緑1色だったものが、江戸時代には白い餅との2色に、続いて明治時代には桃色の餅が加わり3色となりました。
 伝統的な行事食もその裏側に隠れたストーリーを知って食べると、おいしさや感動もいっそう増して、すてきな思い出になるでしょう。

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