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知っ得コラム

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2014年 5月号

歩行型トラクター・管理機作業の安全

人間工学専門家●石川文武
 乗用型トラクターに次いで死亡事故が多く発生しているのが歩行型トラクターおよび管理機(まとめて「耕耘《うん》機」とします)です。圃場(ほじょう)の大きさや傾斜、作目によって耕耘機が便利な場合があり、今でも多く使われており、特に高齢者が犠牲になっています。
 耕耘機の事故は、後退発進時、固い圃場でのダッシング、トラックへの積み降ろしなどが主たる原因です。それぞれについて、事故を防ぐための方策を考えましょう。
 耕耘機は前進しようとしてクラッチをつなげばハンドルは下に下がります。後退発進しようとしてクラッチをつなぐとハンドルは跳ね上がり、クラッチのつなぎ方によっては作業者が支えられないほど大きくなります。ハンドル反力によって体が持ち上げられた場合、後方に木や柱、壁などあると挟まれてしまい、農用エンジンは簡単にはエンストしないので、ループハンドルの場合には、胸や首を圧迫され、救出が遅れると死亡に至ります。木や柱がなくても、あぜや株に足を取られて転倒すると体の上に機械が覆いかぶさってきます。圃場の端が崖のようになっていると後進したまま転落することもあります。後退発進時は後方の障害物などを確認するとともに、エンジン回転をできる限り下げてハンドルをしっかりと下方に押さえながらゆっくりとクラッチをつなぐことです。発進できたら、エンジン回転を上げても構いません。
 固い圃場で、ロータリーを下げたまま、あるいは発進後急激に下げると、土の硬さに負けて機械がダッシングします。発進後にゆっくりとロータリーを接地させる技術が有効です。
 トラックに積んで移動する場合も多いのですが、歩みの掛け方が悪かったら転落しますし、ニュートラルのまま降ろそうとすると暴走します。気を付けましょう。

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