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知っ得コラム

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2013年 5月号

梅とシソ

野菜ソムリエ●KAORU

季節が春から夏へと移るときに訪れる梅雨。梅雨前線が少しずつ北上し、長雨をもたらす現象です。じめじめと憂鬱(ゆううつ)なイメージが先行しがちですが、梅雨の不便さも忘れるほど、この時期ならではの旬の楽しみも待ち受けています。

収穫期を迎える青果物の代表の一つが、梅。「梅雨」「入梅」の語源にもなったと言い伝えられているように、梅雨の頃には梅が実ります。まだ青く熟す前の青梅は梅酒用に、やや熟してきたものは主に梅酢用や梅干しに利用され、古くから日本人の食卓に欠かせない果実として親しまれてきました。梅干しを赤く染めるために使われる赤シソもまさに同じく最盛期。この二つが毎年コンビで出回り、保存食作りが行われます。赤シソの色素成分はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち、アレルギー症状の緩和にも効果が期待できると近年話題に。また赤シソの葉は生薬の「蘇葉(そよう)」、果実は「紫蘇子」としても使われていて、今も昔も風邪やせき止めなどの漢方薬に配合されているのです。

シソ類が含有する爽やかな香りも特徴的。香り成分であるペリルアルデヒドは、優れた殺菌・防腐作用があるとされ、青シソ(オオバ)や花穂シソが刺し身に必ず添えられているのはこのため。葉を細かく刻むことで、香りが立ち、薬効成分もいっそう高まります。

現在は、6~8月頃にしか店頭にお目見えしない赤シソは珍しく、季節を問わず周年出回る青シソの方が日常の食生活で主流となっていますが、もともと赤紫色をしたシソが本来の種。青いシソはその変種といわれています。

梅干し以外にも、薬酒やシソジュース、シソふりかけなど赤シソの良さを生かしたアレンジメニュー
はさまざま。青シソとはまた違った独特の風味と色合いで、初夏の食卓に華を添えてくれます。健康にも美容にも効果的な和のハーブの素晴らしさを、あらためて感じてみてはいかがでしょうか。

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