JA鳥取中央と県中部森林組合は、森林による二酸化炭素(CO2)の吸収量を取引するオフセット・クレジット(J-クレジット)の売買契約を結びました。JAは同森林組合と契約第1号で、県内JAでは初のクレジット購入となりました。森林保全活動を通じて持続可能な農業と地域社会づくりにつなげます。

J-クレジットは、対象の森林におけるCO2の吸収量を算出し、企業間で売買する制度。吸収量は、国から委託を受けた調査機関が木の胸高直径や樹高、面積当たりの本数で試算されます。同森林組合が3月10日に経済産業省から認定を受けたクレジット量486tのうち、10t分をJAが購入しました。

同JAは、環境保全活動への取り組みをPRすることで、農作物の出荷や販売で付加価値の創出を期待します。

同森林組合は、収益を間伐や植林など森林設備に充てます。

JAの栗原隆政組合長は、「CO2の排出量を最小限に食い止め、農業など1次産業の生産安定につなげたい」と話しました。

契約書にサインをする手前から栗原組合長(JA鳥取中央)と小川組合長(鳥取県中部森林組合)

売買契約を受け、同JAは県から「J-クレジットとっとりの森を守る優良企業」の認証も受けました。JAでは、水管理の徹底や環境負荷を軽減させる取り組みを加速させていきます。

 

J-クレジットとっとりの森を守る優良企業の認証を受けました

県中部では2018年3月、1次産業団体と連携の強化を目的に、同JAと同森林組合、大山乳業農協、赤碕漁協の4団体が「森と大地と海のスクラム協定」を結んでいます。

林業の閑散期にJA選果場の仕事の斡旋するなど、組合間で人材確保・活用したり、イベントで連携したりしています。

同森林組合の小川克彦組合長は「川上から川下までのつながりを強化して地域の発展に努めたい」と話しました。