鳥取県園芸試験場や県中部の農業改良普及所、JAなどは倉吉市で、カメムシ警戒緊急対策会議を開きました。県植物防疫協会によると、今年は果樹園でカメムシ類の発生量が非常に多く、中でもツヤアオカメムシは平年比の34.4倍にも上ります。過去の多発年の対応策を参考に集団で防除することで防除効果が上がることを確認。被害を最小限にとどめるため広域的に追加防除していくと協議しました。
今年はカメムシの餌となるスギやヒノキの球果が少なく、餌を求めて果樹園に飛来し果実を吸汁。被害に遭った果実は吸汁された部分がスポンジ状となり成長しなくなるためくぼんでしまい、果実品質が著しく損なわれてしまいます。
会議では、団地一体で防除しないと近隣の防除していない園地にカメムシが移動するだけと説明し、生産部全体で追加防除に取り組むよう提案しました。
県園芸試験場の米村善栄次長兼環境研究室長は「無袋や一重袋の果実は被害に遭いやすいので、注意して防除してほしい」と呼びかけ、JAの木下拓也農産部長は「果樹の生産は収量を確保することで収益もしっかり確保される。病害虫被害による減収を早期の対策で防ぐことで1kgでも多く生産出荷できるように徹底していきましょう」と話しました。